新入社員研修資料1

現在の医療の中には、それまでの「切ったり、はったり、つないだり」といった身体的な治療だけでなく、精神的な治療も含まれて来つつある。しかし、日本の医療行政の中では、一般の病院に対しての「こころ」の治療に関する定義は無い。そのためか、精神的な治療についてある程度学んでいても、それを生かす方法がなかなか見つけられない人も多いと思われる。

精神療法にとって、自分を知る事は必須である。しかしそれは自分の性格をどうこう変えるためではなく、自分の性格や行動を分析し、自分なりの現場対応を行うためである。よく、「知識を得るほど凝り固まって、融通がきかなくなる」と言う言葉を聞くが、果たしてそうだろうか。知識が少ない人は選択肢が少ないため限られた動きしか出来ず、逆に豊富な知識の持ち主は、たくさんの選択肢の中から、必要に応じて効率的な動きを引き出す事が出来る可能性を秘めているように思われる。

病気を持った人間は、自分で自分を知る自信が無くなってくるため、身近な他人を見つめて自分を知ろうとする。だから、病人は他人(スタッフ)の行動や言動に対して、非常に敏感である。スタッフのその場限りの「ごまかし」や「嘘」は、相手に不信感を抱かせ、問題行動をたびたび引き起こす。…しかしながら、それらの「ごまかし」や「嘘」は、日常生活においてはまさに何気なく、無意識に発せられる場合が多いのも事実である。

知識とは、あらゆる問題に対応出来る選択肢を増やすために必要であり、経験はそこから個性を出すために必要なものである。知識だけで相手を見た場合、対応が即時性に乏しくなり、逆にすべてを経験に頼ると、相手を自分の許容内で見てしまうため、許容からはみ出した相手に対しては否定的な目で見やすい側面を持っている。

 

 もくじ/高齢者への音楽療法の意義/音楽療法とは/「音楽教育」と「音楽療法」〜セラピストとは〜/現場における自己の存在/新入社員のための研修資料1/歴代歌謡曲ベスト3/職場内研修「ノーマライゼーション」/新入社員のための研修資料2/言語聴覚司法制定までの動き/院内音楽療法勉強会レジメ/豊かな感性と接遇